失敗への恐怖

僕は他人を意識するあまり、自分を強くみせようとしていた。

 

自分の弱さを隠そうとするあまり、人前に出ることが怖くなっていった。

 

人前で失敗したらどうしよう。

人前にでて笑われたらどうしよう。

声でも震えて弱い自分がバレたらどうしよう。

 

そんなことに本当に怯えながら生活をしていた。

 

絶対に失敗できないという思考からは恐怖心が生まれ、失敗を避けるように人と関わりながら人前に立って何かをやろうということを避けるようになった。

 

人前でなにかをするということすら怖くなっていた。

 

だから極力目立たないように、ひと目につかないように生きたいと望んでいた。

 

いつしか、恐怖のあまり心が落ち着く薬まで飲むようになっていた。

人前で緊張しそうな場面では薬の力を借りてなんとか乗り切っていた。

さがみんなにバレるよりはマシだったから。

そして、お酒にも頼った。

人に会うのもあまり得意ではなかったから、緊張しそうな相手と会う前にはお酒を飲んでから会うこともあった。

お酒はあまり身体に合っていないけど、心を大きくするために頼っていた。

僕のお酒はこころを大きくするためのお酒だった。

まあ、これは別に悪いことではないのかもしれないけど、エスカレートするとアルコール依存で身を滅ぼす。

 

そんなことで、僕は人前に出ることが極度のストレスになっていた。

なんでみんなができていることなのに自分にはできないんだろう。とか人前で喋れない自分はダメだと自分を責めた。

これじゃ今後なにをやってもダメだと思ったし、このままこの環境で仕事をしていても、周りと比べてしまう自分は変えることができないんじゃないかと思った。

正直、人生詰んだなと思っている部分もあった。

こんな状態だと失敗が怖いから積極性も奪われ、仕事が全く楽しくなくなっていた。

積極的にやりたいとも思えなくなっていた。

自分で選んだ仕事なはずなのに…

このまま続けていても地獄、辞める勇気もない。

 

こんな状態が数年間は続いていたと思う。

 

そこで一度、人生のレールを脱線してみることに決めた。

世の中の普通、自分の中で目指してきた普通というものを一度壊してみることにした。

少しでも自分らしく自分の人生が生きられるように。

かなり強引な方法だけど、これくらいしないと変わらないのかなと思っていた。

ずっとこのまま、本当の自分を殺し続けながら生きるのはもうやめようと思った。

 

少しでも自然のままでいびつな形である自分を大事に。

みんな違う。

ちがうところがいい。

違いを認めあえるようになったらいいな。